伊勢屋(北蔵・南蔵)

更新日:2023年06月15日

名称:伊勢屋 (北蔵・南蔵)
(いせやきたぐら・みなみぐら)

指定区別:国登録有形文化財

文化財種別:建造物

登録年月日:平成30年3月27日

所在地等:薗

伊勢屋

概要

 伊勢屋の屋号を持つ田淵家は、御坊市街地南西の小竹八幡(しのはちまん)神社の近くに敷地を構え、江戸時代より酒造業を営む家であった。元禄年間(1688~1704)頃の創業と伝えられる。明治以降も昭和62年に廃業するまで営業を続けた。今回登録されるのは、主屋の南東に建つ「北蔵」と「南蔵」の2棟の酒蔵である。

 北蔵は生活用具庫と作業場からなり、建築面積は205平方メートルで、明治前期頃の建築と考えられる。作業場は瓶詰めや瓶洗い場として使用され、内部は柱を減らして広い作業用の空間を確保する。南蔵は、主体部の北に増築部を接続して北蔵とつなぐ構成で、建築面積386平方メートルの大規模な酒蔵である。主体部は別の場所にあった土蔵を大正期に移築して建てたと伝えられ、その後、昭和前期頃に増築されたと考えられる。一階は仕込場(しこみば)で、二階には室(むろ)が構えられていた。梁(はり)を縦横に架け渡して組む小屋組は壮観である。

 伊勢屋の北蔵と南蔵は、いずれも酒造りに欠かせない施設であり、大規模な酒蔵の遺構として貴重である。御坊における酒造業の歴史を伝えるとともに、歴史的景観にも大きく寄与するものである。

 

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