日高川の野鳥(四季)

更新日:2023年06月15日

(日高川河口の写真画像)

 

 日高川が野鳥たちでにぎわうのは、なんといっても冬である。カモやカモメの仲間が冬鳥として渡来し、河原の草むらでは、小鳥たちが越冬する。
 天田橋付近では、毎年700羽以上のカモたちが越冬する。 マガモヒドリガモ が多く、 ホシハジロオカヨシガモコガモカルガモヨシガモオナガガモキンクロハジロ なども見られる。日中は休んでいることが多く、くちばしを背中に入れて、波間に浮かんでいる。
 カモメの仲間は、堤防の上で休んでいる姿を見ることが多い。 カモメウミネコ が多く、 セグロカモメオオセグロカモメ も少数混じる。カモメたちは、いつも見られるわけではなく、海に採餌に出かけているときは、ほとんど見られないこともある。
 冬の日高川は、小鳥たちもにぎやかである。草むらに潜んでいて、姿はあまり見せないが、 アオジツグミカワラヒワベニマシコジョウビタキ などの声が盛んに聞こえる。この小鳥たちの声が、急に静かになったら注意が必要だ。上空をタカが飛んでいることが多い。 ミサゴノスリオオタカハイタカ などが、日高川では見られる。
 カモたちの姿が、何となく少なくなってきたと思う頃、 ホオジロウグイス がさえずり始める。気がつくと、渡ってきたばかりの ツバメ が飛び交い、春の訪れを感じさせる。石ころだらけの河原では、もう繁殖を始めた鳥がいる。 イカルチドリ だ。その色は、まさに保護色、じっとしていれば全く気がつかない。草むらでは、 キジ も繁殖を始めたようだ。雄の声があちらこちらから聞こえてくる。
 やがて、干潟にシギの仲間が渡来する。 キアシシギチュウシャクシギは、 栄養を蓄えたあと、さらに北に向かって旅立つ。
 川面を初夏の風が吹き渡る頃、 オオヨシキリ のにぎやかな声が盛んに聞こえるようになる。河原では、 コチドリ も繁殖を始めたようだ。
 うだるような暑さの真夏、鳥たちの姿もあまり目立たない。見かけるのは、留鳥として一年中見られる スズメムクドリトビハシボソガラスアオサギ などである。それでも、暑さが和らぎ、秋の気配が漂う頃、シギの仲間が再び渡来する。 ハマシギ は、春よりも秋に多く見られ、越冬することもある。
 シギたちの渡りが一段落し、澄み切った秋の青空が広がる頃、 モズ のするどい高鳴きが聞こえるようになる。木々の葉が少なくなり、草の緑も徐々に色あせる頃、再び川面に カモたち の姿を見かけるようになる。同じ頃、 カワウ も姿を見せる。 カモメたちの群れ を見る頃には、今年最初の木枯らしも吹き始めるだろう。

写真撮影   沼野 正博

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