大塔山系の鳥獣保護区化関係資料

更新日:2023年06月15日

調査資料

NO.1

  1. 調査地域・方法
     本調査は、1976年から1981年の毎年3月下旬に、3~4日間、大塔山・法師山・百間山・入道山・赤土森山・半作領・合川ダム一帯を日高々校生物部員及びその卒業生が毎回30名ないし40名でおこなったものである。調査は、おもに時速2キロメートル位で歩き、その周囲で観察される鳥及び鳴き声のきかれる鳥を、双眼鏡9~10倍及びプロミナー25倍・42倍で観察した。
  2. 調査結果
     1976年から1981年までの6年間に本調査のみで観察された鳥は48種(但しカラスの中にはハシボソカラス・ハシブトからスを含む)で、出現率の高かったものは、トビ・キジバト・キセキレイ・ヒヨドリ・ウグイス・エナカ・ホオジロ・アオジカケス・カラスが100%であるが、クマタカ(66.7%)・ヤマセミ(83,3%)・カワガラス(83.3%)の出現率も比較的高かった。 
     個体数の多いのは、1ウグイス369羽(18.3%)、2ヒヨドリ242羽(12%)、3カラス(ハシボソカラス・ハシブトカラス)143羽(7.1%)、4ホオジロ118羽(5.9%)、5トビ98羽(4.9%)、6エナガ86羽、7キジバト・ヤマゲラ81羽(4%)、9カワガラス62羽(3.1%)、キセキレイ59羽(2.9%)である。 
     本地域に生息する野鳥は年間を通じて27科65種であるが、今後の調査によってさらに増加するものとおもわれる。
  3. まとめ
     大塔山付近に生息する野鳥は27科65種であり、1976年から1981年の3月下旬によると48種であり、出現率の高い鳥はトビ・キジバト・キセキレイ・ヒヨドリ・ウグイス・エナガ・ホオジロ・アオジカラス・カラスである。また個体数の多い。ウグイスが18.3%をしめもっても多くつづいて、ヒヨドリ・カラス・ホオジロ・トビ・エナガ・キジバト・ヤマガラなのである。 
     尚、個体数は少ないが、クマタカ・ヤマセミなどの出現率は比較的高い。
大塔山系の野鳥の出現状況(1976年~1981年)
番号 野鳥名 1976年 1977年 1978年 1979年 1980年 1981年 出現率(パーセント表示) 個体数 個体数(パーセント表示)
1 ササゴイ 0 0 0 0 0 1 16.7 1 +
2 オシドリ 0 0 0 8 0 0 16.7 8 0.4
3 トビ 21 19 1 41 9 7 100 98 4.9
4 ノスリ 0 1 0 0 0 0 16.7 1 +
5 サシバ 0 1 0 0 0 0 16.7 1 +
6 クマタカ 3 1 0 3 0 1 66.7 8 0.4
7 コジュケイ 0 0 0 1 0 1 33.3 2 0.1
8 ヤマドリ 1 2 1 0 0 2 66.7 6 0.3
9 キジ 2 2 1 0 0 0 50 5 0.2
10 キジバト 17 33 3 15 7 6 100 81 4.0
11 アオバト 1 2 0 0 0 0 33.3 3 0.1
12 ヤマセミ 1 2 0 2 1 2 83.3 8 0.4
13 カワセミ 0 2 0 0 2 0 33.3 4 0.2
14 アオゲラ 1 0 0 0 0 3 33.3 4 0.2
15 アカゲラ 0 1 0 0 0 0 16.7 1 +
16 コゲラ 2 1 0 1 0 1 66.7 3 0.1
17 ツバメ 0 6 0 0 0 0 16.7 6 0.3
18 キセキレイ 27 16 1 3 7 6 100 59 2.9
19 ハクセキレイ 0 0 0 1 0 2 33.3 3 0.1
20 セグロセキレイ 6 8 0 8 1 6 83.3 29 1.4
21 ビンズイ 0 0 0 4 0 1 33.3 5 0.2
22 ヒヨドリ 48 62 33 75 10 14 100 242 12.0
23 モズ 7 7 1 6 4 0 83.3 25 1.2
24 カワガラス 18 11 0 6 12 5 83.3 62 3.1
25 ミソサザイ 5 0 0 0 1 1 50 7 0.3
26 コルリ 1 0 0 0 0 0 16.7 1 +
27 ルリビタギ 0 1 0 0 0 0 16.7 1 +
28 ジョウビタキ 2 1 0 0 0 3 50 5 0.3
29 トラツグミ 0 0 0 0 1 0 16.7 1 +
30 シロハラ 0 2 0 0 0 0 16.7 2 0.1
31 ツグミ 0 3 1 1 1 3 83.3 9 0.4
32 ウグイス 109 80 22 79 31 48 100 369 18.3
33 エナガ 16 21 5 25 12 7 100 86 4.3
34 コガラ 0 0 0 0 0 1 16.7 1 +
35 ヒガラ 2 0 0 0 0 8 33.3 10 0.5
36 ヤマガラ 0 0 2 1 0 78 50 81 4.0
37 シジュウガラ 0 0 8 0 0 15 33.3 23 1,1
38 ゴジュウガラ 0 0 0 0 1 0 16.7 1 +
39 メジロ 0 0 12 1 1 0 50 14 0.7
40 ホオジロ 15 87 20 68 33 17 100 240 11.7.
41 カシラダカ 16 6 1 1 2 0 83.3 26 1.3
42 アオジ 10 55 5 2 26 20 100 118 5.9.
43 カワラヒワ 27 13 0 4 4 3 83.3 52 2.6
44 イカル 0 0 0 0 0 1 16.7 1 +
45 スズメ 14 18 1 2 0 3 83.3 38 1.9
46 カケス 5 22 2 1 8 8 100 46 2..3
47 カラス 46 28 3 20 18 28 100 143 7.1

 

大塔山系の野鳥の出現状況(1982年~1986年)
番号 野鳥名 1982 1983 1984 1985 1986
1 ササゴイ 0 0 0 0 0
2 オシドリ 4 19 113 4 0
3 トビ 20 13 4 0 1
4 ハイタカ - 1 0 0 0
5 ノスリ 0 6 0 0 0
6 サシバ 0 0 0 0 1
7 クマタカ 1 0 0 0 0
8 コジュケイ 2 1 7 6 3
9 ヤマドリ 2 0 0 0 0
10 キジ 0 2 3 2 0
11 キジバト 4 19 7 5 2
12 アオバト 0 28 5 21 1
13 アマツバメ 21 0 - 0 0
14 ヤマセミ 2 2 3 0 0
15 カワセミ 0 0 2 0 1
16 アオゲラ 0 0 0 0 0
17 アカゲラ 0 0 0 0 1
18 オオアカゲラ - - - 2 0
19 コゲラ 0 0 3 0 3
20 ツバメ 1 0 0 0 0
21 キセキレイ 19 24 4 0 2
22 ハクセキレイ 0 0 0 0 0
23 セグロセキレイ 13 19 11 3 8
24 ビンズイ 0 0 0 0 0
25 ヒヨドリ 16 36 6 14 13
26 モズ 0 0 5 0 0
27 カワガラス 8 9 9 3 7
28 ミソサザイ 0 0 0 0 0
29 コルリ 0 0 0 0 0
30 ルリビタキ 0 0 0 0 0
31 ジョウビタキ 3 1 0 0 0
32 トラツグミ 0 0 0 0 0
33 シロハラ 0 0 1 0 0
34 ツグミ 2 3 0 0 0
35 ウグイス 63 87 25 16 10
36 エナガ 17 29 21 2 2
37 コガラ 0 1 0 0 1
38 ヒガラ 0 0 1 0 1
39 ヤマガラ 6 10 4 0 7
40 シュジュウカラ 2 3 14 0 0
41 ゴジュウカラ 0 0 0 0 0
42 メジロ 4 5 2 0 0
43 ホオジロ 57 32 22 6 7
44 カシラダカ 3 0 0 0 0
45 アオジ 21 15 37 9 10
46 カワラヒワ 11 4 10 0 0
47 ウソ - - - - -
48 イカル 0 0 0 0 0
49 スズメ 1 0 0 0 0
50 カケス 6 13 12 1 12

 

黒田隆司

  1. クマタカ、アカゲラ、オオアカゲラ、ヤマセミ、ミソサザイ、コルリ、ゴジュウカラ、ウソなどの深山性の鳥がすむ
  2. その他、夏にはジュウイチ、カッコウ、ツツドリ、ホ トトギス、コノハズク、ブッポウソウ、コマドリ、キビタキ、オオルリ、キバ シリがすみ、繁殖する。
  3. 合川ダムを中心にオシ リが生息する。
  4. 1981年3月27日 イスカの記録がある。

保存関係資料

資料1 大塔山鳥獣保護区化運動

  1. 大塔山(1122メートル)を中心に直径20キロメートル内、約3万ヘクタールを鳥獣保護区にする。
  2. 大塔山鳥獣保護区推進委員会を設ける。
    委員長:森脇悦夫(海南市)
    副委員長:白水  博(太地町)
    委員:
    村上和潔(古座町)
    東 定司(太地町)
    中井節二(那智勝浦町)
    津野修一(日高町)
  3. 和歌山県下全域で、署名をお願いし要望を出す。
  4. 大塔付近の重要性
    • 28科66種以上の野鳥が生息し、ウグイス、ヒヨドリ・オオジロエナガ、キジバト、ヤマガラ、カワガラス、キセキレイなどの個体数が多い。
    • 日本三鳴鳥のコマドリ、ウグイス、オオルリが生息し繁殖している。
    • 減少が著しく、貴重種であるクマタカ、コノハズク(声の佛法僧)、キバシリ、ヤマセミ、アカショウビンなどが生息し繁殖している。
    • ニホンカモシカ本来の生息地である。

資料2 大塔山鳥獣保護化の推進活動について

  大塔山系は、紀伊半島の南部、その中央に大塔山(1122メートル)や、法師山(1120メートル)を中心に広がる山塊である。和歌山県西牟婁郡大塔村、東牟婁郡古座川町 本宮町、熊野川町にまたがる広い地域で、この付近の地層は第3紀牟婁層に属している。気候は南海気候型で、年平均気温は14.5℃~15℃、年降水量は4000ミリメートルに達する多雨地帯である。
  この地帯は、戦前はブナ林などの落葉広葉樹林や、アカガシなどの常緑広葉樹林の原生林であった。しかし、戦後の開発によって広大な伐採され、、スギ、ヒノキの人工造林に林地転換され、かってはニホンオオカミ、イヌワシなどの生息地となっていた原生林はわずかに残すのみとなっている。そしていま、特別天然記念物のニホンカモシカをはじめ、クマタカ、アカショウビン、コマドリなどの稀少種を含め、この森林にすむ76種の野鳥のすみかや餌、それに52種の繁殖場所が危機に瀕している。   

経過

   56年12月6日:和歌山県支部役員会で、村上和潔幹事から、大塔山系の現況報告と鳥獣保護区指定の必要性を提案。
   57年1月31日:県支部総会において、大塔山周辺鳥獣保護区化を推進してゆく決議がなされる。
   57年3月~59年3月:県支部会員及び日高高校生物部の協力より、野鳥生息調査をする。(黒田隆司)
   57年6月14日:大塔山鳥獣保護区化推進委員会発足。(委員長:森脇悦夫 副委員長:白水博委員 村上和潔 東定司 中井節二 津野修一)
   57年12月18日:署名用紙を作成、会員他に発送。
   58年1月~59年10月:署名を展開。
   59年2月4日:署名の集約を報告し、取り扱いを協議する。
   59年5月8日:署名(23,850名)を県知事に提出し、保護区化を要望する(増田耕造 黒田隆司 森脇悦夫)

資料3

 大塔山系は紀伊半島の南部、その中央に広がる山塊で、和歌山県西牟婁郡と東牟婁郡にまたがっている。この付近の地層は第3紀牟婁層群に属し、気候は、南海気候型で、年降水量は4000ミリメートルに達する多雨地帯である。海抜1000メートル前後の尾根筋はブナなどの夏緑樹林、麓へかけては、カシ・シイなどの照葉樹林となっているが、大塔山の一部や、黒蔵谷、大杉滝などの周辺を残して大部分がスギ・ヒノキに林地転換されている。
 この地域に生息する主な獣類は、ニホンカモシカ、ニホンヤネ・ツキノワグマ・シカなので、伐採以前にすんでいたニホンオオカミ、ヤマイヌなどはイヌワシなどとともに生息しなくなった。野鳥は、現在生息するのは76種で夏鳥21種、冬鳥11種、留鳥36種、漂鳥8種で、クマタカ、コノハズク、コマドリ、アカショウビンなどの生息数は減少し危機に瀕している。
 昭和56年12月、日本野鳥の会和歌山県支部の役員会で村上和潔から大塔山鳥獣保護区化の緊急提案があり、翌年1月の総会で決議され、6月には、大塔山鳥獣保護区推進委員会(森脇悦夫委員長)が発足、58年から県下を中心に自然保護団体の協力を得て、全国的な署名運動を展開し、12月には、署名者数、県内20,622名、県外3,228名、合計23,850名に達した。そして59年5月8日県知事に面会して、署名を添えて要望書を提出し、強く訴えた。
 知事の回答は「地域のみなさんと充分相談して行きたい。野鳥の会も智慧をかしてほしい」と具体的でなかったが、前向きの姿勢で対処される確信を得た。県当局では62年度から始まる第6次鳥獣保護計画の中で検討していく模様である。私達としては、1日で早い実現を目覚して一層の努力をしてゆかねばならない。最後に御協力をいただいたみなさん方に厚くお礼を申し上げたい。

資料4 野添様 多忙のため、取り急ぎ失礼します。

鳥類

  1. 県下1の繁殖地である。
     大塔山系の森林及びその渓流には、76種の野鳥が生息し、そのうち、52種(68.4%)が繁殖し、県下最大規模の夏鳥及び留鳥の繁殖地である。
  2. 県下の稀少種が生息し繁殖している。
     県下で数少ないクマタカ、コノハズク、コマドリ、キバシリ、アカショウビン、ヤマセミ、などがここに生息し繁殖する。
     クマタカはノウサギなどを捕獲し、行動圏が80から100平方キロメートル、オオタカでも40~80平方キロメートルあり、ワシタカ類は行動圏が広く、広い森林域が必要である。過去10年間の調査によると、クマタカは大塔山系には2~3番が生息していると考えられ、県下唯一の繁殖地である。
     コノハズクは昭和30年代から高野山に生息せず、県下では護摩壇山付近に不定期に渡来する以外、大塔山系のみである。数も少なく、県下唯一の繁殖地である。コマドリは、ブナ・ミズナラ林の林床に渡来し、局地性がある。県下で護摩壇山と大塔山系のブナ林に渡来する。
     アカショウビンは、一支流一番、ヤマセミは4~5キロメートルの渓流に一番すみ全県的少ないが、渓流の比較的多い大塔山系は良い生息地となっている。
     一般に、ワシタカ類のように大型の鳥ほど行動圏が広く、従って広い森林域や長い渓流域が必要である。
     獣類では、ツキノワグマ、ニホンカモシカ、ワカヤマムササビ、モモンガ、ヤマネなど貴重な種類が生息する。
     以上、大塔山系は和歌山県の野生動物が開発によって追われ、最後の逃げ込み場であり、自然状態では高温、多雨、すばらしい生態系が成立する地域であるから、遅きに失っしたとはいえ、最重点保護区にすべきと思う。

資料5 調査報告書・要望書・陳情書他一括

大塔山系域鳥類調査報告書59.3

  1. 調査地域の概要
     大塔山系域は、紀伊半島の中央にあり、西牟婁郡大塔村、、東牟婁郡本宮町、熊野川町、古座川町にまたがっている。大塔山は最高峰で1122メートルである。
    この付近の地層は第3紀牟婁層群に属し、日置川、古座川、新宮川などが放射状にでている。南海気候型で年平均気温は14.5℃~15℃、年降水量は3800ミリメートルから4000ミリメートルを越す多雨地帯である。
  2. 植生
     大塔山、法師山の頂上(1000メートル以上)には、一部ブナ林が残っている。その下750メートルから1000メートルモミ、ツガ林があり、モミーシキミ群落、ツガーコカンスゲ群落などとなっている。600メートルから750メートルの内陸斜面はカシ林でウラジロガシーサカキ群落、アカガシーミヤマシキミ群落。600メートル以下はシイ林となり、コジイークロバイ群落なっているが、大部分はスギ・ヒノキの植林で上記の天然林は一部に残っているのみである。
  3. 鳥類の概要
     本地域に生息する野鳥は、夏鳥21種(27,6%)、冬鳥11種(14.5%)、留鳥36種(47.4%)漂鳥8種(10.5%)合計76種である。固体数の多いものは、キジバト、ホオジロ、カワラヒラ、ハシボソガラスである。森林には、ワシタカ類(トビ、ノリス、サシバクマタカ)、ホトトギス類(ジュライチ、カッコウ、ツツドリ、)、フクロウ類(コノハズク、アオバズク、フクロウ)、キツツキ類(アカゲラ、オオアカゲラ、コゲラ)、ヒタキ類(コマドリ、コルリ、ルリビタキ、ジョウビタキ、クロツグミ、アカハラ、シロハラ、ツグミ、ヤブサメ、ウグイス、センダイムシクイ、キビタキ、オオルリ)、エナガ・カラ類(エナガ、コガラ、ヒガラ、ヤマガラ、シュジュウガラ、ゴジュウカラ)などが生息している。
     標高1000メートル前後のブナ林やその下のモミ・ツガ林付近にはクマタカ、コノハズク、キツツキ類、コマドリ、トラツグミ、コガラ、ヒガラ、ゴジュウカラ、キバシリなどが生息している。渓流には、ヤマセミ、カワガラスが生活し、アカショウビンも採餌にくる。渓流の傍の森林ではオオルリが数多く繁殖している。
     繁殖を確認した種類は、トビ、ノスリ、サシバ、クマタカ、コジュウケイ、ヤマドリ、キジ、キジバト、アオバト、ジュウイチ、カッコウ、ツツドリ、ホトトギス、コノハズク、アオバズク、フクロウ、ヤマセミ、アカショウビン、カワセミ、ブッポウソウ、アオゲラ、アカゲラ、オオアカゲラ、コゲラ、ツバメ、イワツバメ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、カワガラス、ミソサザイ、トラツグミ、クロツグミ、ヤブサメ、ウグイス、センダイムシクイ、オオルリ、エナガ、コガラ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウガラ、ゴジュウガラ、キバシリ、メジロ、ホオジロ、カワラヒラ、スズメ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラスの52種の多きにのぼる。
  4. 調査方法
     調査地域は、太尾嶺(725メートル)半作嶺(894メートル)百間山(999メートル)法師山(1120メートル)大塔山(1122メートル)入道山(1010メートル)高尾山(942メートル)赤土森山(871メートル)半田峰(664メートル)及びその周辺地域で、調査はウオーキング法に準じて、双眼鏡(8倍~10倍)望遠鏡(20倍~32倍)で野鳥を確認した。
  5. まとめ
     本調査地で確認した野鳥は76種で、一部に残された天然林を中心に生息している。森林には、ワシタカ類、ホトトギス類、フクロウ類、キツツキ類、ヒタキ類、カラ類などが生息し、52種類が繁殖している。従って本地域は、森林鳥の生活の場であり繁殖地として極めて重要であり、クマタカ、ユノハズク、アカショウビン、コマドリ、など貴重な鳥の保護をあわせて、森林を保護することが急務である。

調査者 黒田隆司 日本野鳥の会会員 日高高生物部員

 

大塔山域目録
科名 和名 渡り 生息数 生息場所 繁殖
1 サギ ササゴイ 河川  
2   アオサギ 河川  
3 ガンガモ オシドリ 河川  
4 ワシタカ トビ 森林 高木 3月~5月
5   ノスリ 森林 樹梢 5月~6月
6   サシバ 森林 樹梢 5月~6月
7   クマタカ 森林 高木 4月~5月
8 キジ ウズラ 河川・山麓  
9   コジュウケイ 畑・川原 草むら 4月~6月
10   ヤマドリ 森林・やぶ 地上 4月~6月
11   キジ 森林 地上 4月~7月
12 ハト キジバト 森林 枝上 3月~10月
13   アオバト 森林 枝上 6月~7月
14 ホトトギス ジュウイチ 森林 托卵 5月~8月
15   カッコウ 森林 托卵 5月~8月
16   ツツドリ 森林 托卵 5月~6月
17   ホトトギス 森林 托卵 5月~8月
18 フクロウ ユノハズク 森林 樹洞 5月~6月
19   アオバズク 森林 樹洞 5月~7月
20   フクロウ 森林 樹洞 4月~6月
21 アマツバメ アマツバメ 山地  
22 カワセミ ヤマセミ 河川 土崖 5月~6月
23   アカショウビン 森林 樹洞 6月~7月
24   カワセミ 河川 土崖 3月~8月
25 ブッポソウ ブッポウソウ 森林 樹梢 5月~6月
26 キツツキ アオゲラ 森林 幹 5月~6月
27   アカゲラ 森林 幹 5月~6月
28   オオアカゲラ 森林 幹 4月~5月
29   コゲラ 森林 幹 5月~6月
30 ツバメ ツバメ 山麓 建物 4月~7月
31   イワツバメ 山地 岩壁 4月~5月
32 セキレイ キセキレイ 河川 岩壁 4月~8月
33   ハクセキレイ 河川  
34   セグロセキレイ 河川 崖地 3月~7月
35   ビンズイ 河川(川原)  
36   ヒヨドリ 森林 樹枝 5月~6月
37   モズ 草むら 3月~8月
38   カワガラス 河川 岩かげ 3月~6月
39 ミソサザイ ミソサザイ 森林 崖下 5月~8月
40   カヤクグリ 森林  
41   コマドリ 森林  
42   コルリ 森林  
43   ルリビタキ 森林  
44   ジョウビタキ 森林  
45   トラツグミ 森林 高木の幹 4月~7月
46   クロツグミ 森林 枝 5月~7月
47   アカハラ 森林  
48   シロハラ 森林  
49   ツグミ 森林  
50   ヤブサメ 森林 木の根元 5月~7月
51   ウグイス 草原 5月~6月
52   センダイムシクイ 森林 地上 5月~6月
53   キビタキ 森林  
54   オオルリ 森林 林 5月~7月
55 エナガ エナガ 森林 林 4月~6月
56 シジュウカラ コガラ 森林 枯損木 5月~7月
57   ヒガラ 森林 枯損木 5月~7月
58   ヤマガラ 森林 枯損木 4月~7月
59   シジュウガラ 森林 樹洞 4月~7月
60 ゴジュウカラ ゴジュウカラ 森林 樹洞 4月~6月
61 キバシリ キバシリ 森林 枯損木 3月~5月
62 メジロ メジロ 森林 樹上 5月~6月
63 ホオジロ ホオジロ 地上 4月~7月
64   カシラダカ  
65   アオジ  
66   クロジ 森林  
67 アトリ アトリ 森林  
68   カワラヒラ 林縁・川原 樹梢 3月~7月
69   マヒワ 森林  
70   ベニマンコ 森林  
71   イカル 森林  
72   シメ 森林  
73 ハタオリドリ スズメ 山麓 建物 3月~6月
74 カラス カケス 森林 梢の小枝 4月~6月
75   ハシボスガラス 森林 高木 3月~6月
76   ハシブトガラス 森林 高木 3月~6月

 

大塔山周辺の鳥獣保護区指定をもとめる要望書

署名者数

合計23,850名

内訳

県内
  • 和歌山市5,952名
  • 橋本市127名
  • 海南市1,861名
  • 有田市468名
  • 御坊市1,325名
  • 田辺市471名
  • 新宮市983名
  • 伊都郡372名
  • 那賀郡1,001名
  • 海草郡1,004名
  • 有田郡498名
  • 日高郡2,010名
  • 西牟婁郡1,127名
  • 東牟婁郡3,423名
  • 合計20,622名
県外
  • 北海道161名
  • 岩手県40名
  • 宮城県17名
  • 福島県10名
  • 茨城県3名
  • 群馬県1名
  • 埼玉県40名
  • 千葉県51名
  • 東京都207名
  • 神奈川県88名
  • 山梨県1名
  • 長野県50名
  • 新潟県18名
  • 富山県21名
  • 石川県42名
  • 福井県6名
  • 岐阜県11名
  • 静岡県125名
  • 愛知県42名
  • 三重県122名
  • 滋賀県13名
  • 京都府78名
  • 大阪府1,343名
  • 兵庫県211名
  • 奈良県13名
  • 岡山県21名
  • 広島県45名
  • 山口県3名
  • 徳島県18名
  • 愛媛県1名
  • 高知県3名
  • 福岡県5名
  • 長崎県1名
  • 熊本県257名
  • 大分県40名
  • 宮崎県61名
  • 鹿児島県1名
  • 沖縄県1名

合計3,228名

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お問い合わせ先

御坊市 教育委員会 教育課
〒644-8686
和歌山県御坊市薗350番地2
電話:0738-23-5525 ファックス:0738-24-0528
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