風水害の基礎知識
和歌山県の降雨の特徴
和歌山県の南部は、有数の多雨地帯(南海気候区)で、年間の降雨量が3,400ミリを超えるところがある一方、和歌山市付近は、1,300ミリほどの小雨地帯となっている。
夏、紀伊半島には南海上から暖湿な気流が太平洋高気圧の縁辺に沿って吹き付けられることが多く、台風などが接近するとこの気流が強められる。
暖湿な気流は山地により上空に押し上げられ、積乱雲を発達させて大雨となる。一方、和歌山市付近は紀伊山地の風下にあたり、乾燥した気流が下降する場となって雨が降りにくくなる(瀬戸内気候区)。
御坊市は、南海気候区に属しているが、年間の降雨量が約2000ミリとそれほど多くなく、瀬戸内気候区に似た特徴を有している。
6月~10月にかけて高温多雨であり、1月~3月にかけて低温で乾燥している。
1時間の雨量と災害発生状況
1時間の雨量 | 予報用語 | 災害発生状況 |
---|---|---|
10~20ミリ | やや強い雨 | 長く続く場合は注意が必要 |
20~30ミリ | 強い雨 | 側溝や下水、小さな川があふれ、小規模な崖崩れ |
30~50ミリ | 激しい雨 | 山崩れ・崖崩れが起きやすくなる |
50~80ミリ | 非常に激しい雨 | マンホールから水が噴出、土石流が起こりやすい |
80ミリ以上 | 猛烈な雨 | 大規模な災害が発生するおそれが強く、厳重な警戒が必要 |
「強い雨」や「激しい雨」以上の雨が降ると予想される時は、大雨注意報や大雨警報を発表して注意や警戒を呼びかけます。
ちなみに、御坊市での発表基準としては、大雨注意報は、時間雨量40ミリで総降水量90ミリ、若しくは3時間雨量70ミリで発表されます。また、大雨警報は、時間雨量70ミリ以上の時発表されます。
猛烈な雨を観測した場合、「記録的短時間大雨情報」が発表されることがあります。
集中豪雨に要注意
集中豪雨とは、短時間のうちに狭い地域に集中して降る豪雨のことで梅雨の終わりごろよく起こります。狭い地域に限られ突発的に降るため、その予測は非常に困難です。中小河川の氾濫や土砂崩れ、がけ崩れなどによる被害が予想されます。
がけ付近、造成地、扇状地などの地域では気象情報に十分注意して万全の対策をとるようにしましょう。
台風についての知識
熱帯の会場で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びますが、このうち北西太平洋または南シナ海に存在し、なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ秒速17メートル(34ノット、風力8)以上のものを「台風」と呼びます。
日本には、毎年多くの台風が接近・上陸して、強風と大雨によって大きな被害をもたらします。
台風情報に注意して被害が出ないように備えておきましょう。
風の強さと影響
平均風速(メートル/秒) | 影響 |
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10~15メートル | 風に向かって歩きにくい |
15~20メートル | 風に向かって歩くことができない |
20~25メートル | しっかり身体を確保しないと転倒する |
25~30メートル | 立っていられない、樹木が倒れる |
30メートル以上 | 屋根が飛び、木造住宅の全壊がはじまる |
台風の大きさと階級分け
階級 | 風速秒速15メートル以上の半径 |
---|---|
大型(大きい) | 500キロメートル以上800キロメートル未満 |
超大型(非常に大きい) | 800キロメートル以上 |
大型、超大型の台風それぞれの大きさは、日本列島の大きさを比較すると以下のとおりです。

台風の強さと影響
階級 | 風速秒速15メートル以上の半径 |
---|---|
強い | 秒速33メートル(64ノット)以上秒速44メートル(85ノット)未満 |
非常に強い | 秒速44メートル(85ノット)以上秒速54メートル(105ノット)未満 |
猛烈な | 秒速54メートル(105ノット)以上 |
台風に関する情報の中では台風の大きさと強さを組み合わせて、「大型で強い台風」のように呼びます。
但し、強風域の半径が500キロメートル未満の場合には大きさを表現せず、最大風速が秒速33メートル未満の場合には強さを表現しません。
台風に関する言葉
言葉 | 内容 |
---|---|
発生 | 熱帯低気圧の風力の最大が8(17.2メートル、34ノット)以上になったとき。 |
接近 | 県境から半径300キロメートル以内の域内に台風の中心が入ったとき。 |
上陸 | 海岸線のどこかに台風の中心が達したとき。 沖縄本島などに中心が達したときは「通過」となる。 |
強風域 | 台風や発達した低気圧の周辺で平均風速が15メートル以上25メートル未満の風が吹いている。 |
暴風域 | 台風や発達した低気圧の周辺で平均風速が25メートル以上の風が吹いている。 |
暴風警戒域 | 台風の中心が予報円内に進んだときに台風進路予想で使う。 |
なお、「暴風警報」の"暴風"は和歌山県では上陸で平均風速20メートル以上と決めており、同じ暴風と名がついても意味が違ってくる。
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更新日:2023年06月20日