御坊市付近の野鳥とウミネコ

更新日:2023年06月15日

 41年から日高高校生物部鳥類班では日高川河口・煙樹ヶ浜と入山水田地帯に3定点を設け野鳥を観察してきた。そしてその結果、和歌山県御坊市付近の野鳥の生態(中間報告)を発表した。
 この調査により、御坊市周辺の野鳥は36科145種で、留鳥が26種、漂鳥32、夏鳥35種、冬鳥33種、旅鳥19種で渡り鳥が60%をしめている。種類数ではアト科、ツグミ亜科、シギ科、サギ科が多くみられ、個体数ではスズメ、カワヒラ、ホオジロ、ツバメが多く。繁殖を確認した145種29種そのほとんどが留鳥であった。
 季節的に年中みられるのはスズメ、カラス、トビ、ヒバリ、カワラヒワ、ホオジロ、キジバト、シロチドリ、ヒヨドリ、エナガである。
 水田地帯ではスズメ、ツバメ、カシラダカ、ビンズイ、ゼツカの順で数多く観察され計55種確認した。
 防潮林地帯(煙樹ヶ浜)はキジバト、カワラヒラ等が多く、49種の野鳥が観察された。
 河口地帯では57種の野鳥がみられ、スズメ、ヒバリ、カラス、トビ等が多く一年中みられ、トビ、ウミネコが多かった。
 近年個体数が増加して来た野鳥はスズメ、シギの類がシロチドリであるが、反対に減少してきた野鳥はウミネコ、アマサギ、シジュウガラ、コガラ、ヒガラ、ムクドリ、カワセミである。
 ウミネコの河口地帯への飛来は11月で翌年の7月まで見られるが、多いのは12月~5が月で2月と3がつは持つとも多く170羽に達したこともある。
 美浜町三尾の弁天島はウミネコの繁殖地であるが、弁天島は4月中旬位から6月かけて産卵しヒナを育てる。そして、7月中までに島を去ってゆくが、最近産卵に入る鳥は雌雄で40羽を下り、47年6月6日の調査ではヒナの数は13羽、死ガイ3羽、卵5個であった。
 また、6月11日由良町大引の立巌(タテゴ)付近には約150羽、白崎吹きには100は確認できさらに確認できなかったが立巌ではおそらく繁殖がおこなわれているものと推定され、この結果ウミネコの繁殖地は弁天島への人の上陸が多くなるにつれて、丁度採掘を止めたセメント砕石場又はその付近が爆破音のおそれもなく、ここをすみかに移動してきたものと思われる。

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