岩内1号墳・3号墳出土遺物
名称:岩内1号墳・3号墳出土遺物(いわうちいちごうふん・さんごうふんしゅつどいぶつ)
指定区別:県指定有形文化財
文化財種別:美術工芸品(考古資料)
指定年月日:平成25年5月30日
所在地等:塩屋町南塩屋(御坊市歴史民俗資料館)

銀装大刀(岩内1号墳)

岩内1号墳出土遺物

仿製捩文鏡(岩内3号墳)

岩内3号墳出土遺物
概要
岩内古墳群は、日高川河口から約2キロメートル上流の左岸丘陵に位置している。少なくとも9基の古墳が存在していたといわれているが、現在確認できるのは県史跡の1号墳と3号墳のみである。
1号墳は、一辺が約19メートルの方墳で三方に周溝が廻り、内部に巨石を部材とした横穴式石室をもつ終末期古墳である。戦後まもなく発見・調査され、大刀や棺材漆片などが出土し、その後昭和54年度にも発掘調査が実施されている。有間皇子の墓ではないかとの説がある。
3号墳は、直径約28メートルの円墳で、周囲に幅約5メートルの周溝をもつ。昭和54年度に発掘調査され、内部主体として2基の割竹式木棺が確認され、多数の遺物が出土している。築造年代は古墳時代中期前半と考えられている。
1号墳の出土遺物は、銀装大刀1、鐶座金具3、漆塗木棺片1式、鉄釘1式、須恵器杯身2、須恵器長頸壺1、土師器皿1、土師器埦1である。銀装大刀は、全長71.7センチメートルに復元され、柄には、連珠文を打刻した銀線が巻かれており、鞘(さや)は黒漆塗りで、鞘口金具と帯執(おびとり)用の環付足金物が付いている。
3号墳の出土遺物は、仿製捩文鏡(ぼうせいねじもんきょう)1、巴形銅器(ともえがたどうき)1、銅釧(どうくしろ)3、鉄釧(てつくしろ)2、鉄製直刀2、鉄剣5、鉄槍1、鉄鏃66、鉄斧4、鉄製鉇(やりがんな)7、鉄製鎌10、鉄製手鎌5、鉄製鍬4、鉄製刀子(とうす)10、鉄製錐4、鉄製針5、用途不明鉄器5、竹竪櫛(たてぐし)36、 碧玉勾玉(へきぎょくまがたま)1、滑石勾玉(かっせきまがたま)26、滑石管玉15、ガラス小玉320、滑石小玉130、木棺片1である。
岩内1号墳の出土遺物は、和歌山県の古墳時代終末期の葬送儀礼と工芸技術を示す重要な考古資料である。3号墳の出土遺物は、古墳時代中期前半における葬送儀礼と当時の副葬品の良好なセット関係を示す重要な考古資料であると考えられる。
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更新日:2023年06月15日