○御坊市債権管理条例
令和6年12月18日
条例第25号
(趣旨)
第1条 この条例は、市の債権管理を適正に行うことを期するため、その管理に関する事務の処理について必要な事項を定めるものとする。
(1) 市の債権 金銭の給付を目的とする市の権利をいう。
(2) 公債権 市の債権のうち、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第231条の3第1項に規定する歳入に係る債権及び地方税法(昭和25年法律第226号)の規定に基づく徴収金に係る債権(以下「市税」という。)をいう。
(3) 強制徴収公債権 公債権のうち、市税、法第231条の3第3項その他法律の規定により国税又は地方税の滞納処分の例により処分することができるものをいう。
(4) 非強制徴収公債権 公債権のうち、強制徴収公債権以外の債権をいう。
(5) 私債権 市の債権のうち、公債権以外の債権をいう。
(他の法令等との関係)
第3条 市の債権の管理に関する事務の処理については、法令又は他の条例若しくは規則(以下「法令等」という。)に特別の定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。
(市長の責務)
第4条 市長は、法令等の定めるところにより、市の債権を適正に管理しなければならない。
(台帳の整備)
第5条 市長は、市の債権を適正に管理するため、規則で定めるところにより台帳(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。)を整備するものとする。ただし、当該市の債権の性質上特にその必要がないと認められるときは、この限りでない。
2 前項に規定する台帳は、その債権を管理する主管課において債権の種類ごとに作成し、その内容について異動が生じたときは、速やかに整理する。
(督促)
第6条 市長は、市の債権について、履行期限までに履行しない者があるときは、法令等の定めるところにより、期限を指定してこれを督促しなければならない。
(延滞金)
第7条 市長は、公債権について前条の規定による督促をした場合においては、延滞金を徴収するものとする。
2 前項の延滞金の率及び計算方法については、市税の例による。
(1) 災害により著しく資力を喪失した場合
(2) 延滞金を納入すべき者の責めによらない事由により当該公債権について納入が遅延した場合
(3) 前2号に掲げる場合のほか、当該公債権について納入しなかったことにつきやむを得ない事由がある場合
(強制徴収公債権の滞納処分等)
第8条 市長は、強制徴収公債権について、第6条の規定による督促後、指定した期限までに履行されないときは、法令の規定により滞納処分を行わなければならない。
2 市長は、前項の規定にかかわらず、法令に定める事由に該当するときは、徴収の猶予、換価の猶予又は滞納処分の停止を行うものとする。
(1) 担保の付されている私債権等(保証人の保証がある私債権等を含む。)については、当該私債権等の内容に従い、その担保を処分し、若しくは競売その他の担保権の実行の手続をとり、又は保証人に対して履行を請求すること。
(2) 債務名義のある私債権等(次号の措置により債務名義を取得したものを含む。)については、強制執行の手続をとること。
(履行期限の繰上げ)
第10条 市長は、市の債権について履行期限を繰り上げることができる理由が生じたときは、遅滞なく、債務者に対し、履行期限を繰り上げる旨の通知をしなければならない。ただし、第13条第1項各号のいずれかに該当する場合その他特に支障があると認める場合は、この限りでない。
(債権の申出等)
第11条 市長は、市の債権について、債務者が強制執行又は破産手続開始の決定を受けたこと等を知った場合において、法令の規定により市が債権者として配当の要求その他債権の申出をすることができるときは、直ちに、そのための措置をとらなければならない。
2 前項に規定するもののほか、市長は、市の債権を保全するため必要があると認めるときは、債務者に対し、担保の提供(保証人の保証を含む。)を求め、又は仮差押え若しくは仮処分の手続をとる等必要な措置をとらなければならない。
(徴収停止)
第12条 市長は、私債権等で履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、次の各号のいずれかに該当し、これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認めるときは、以後その保全及び取立てをしないことができる。
(1) 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みが全くなく、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるとき。
(2) 債務者の所在が不明であり、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるときその他これに類するとき。
(3) 債権金額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。
(履行延期の特約等)
第13条 市長は、私債権等について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において、当該私債権等の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。
(1) 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。
(2) 債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、その現に有する資産の状況により、履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。
(3) 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため、履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。
(4) 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る私債権等について、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。
(免除)
第14条 市長は、前条の規定により債務者が無資力又はこれに近い状態にあるため履行延期の特約又は処分をした私債権等について、当初の履行期限(当初の履行期限後に履行延期の特約又は処分をした場合は、最初に履行延期の特約又は処分をした日)から10年を経過した後において、なお、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認められるときは、当該私債権等及びこれに係る損害賠償金等を免除することができる。
(債権の放棄)
第15条 市長は、私債権等について、次の各号のいずれかに該当する事由が生じた場合は、当該債権及びこれに係る損害賠償金等の全部又は一部を放棄することができる。
(1) 破産法(平成16年法律第75号)第253条第1項、会社更生法(平成14年法律第154号)第204条第1項その他の法令の規定により債務者が当該債権につきその責任を免れたとき。
(2) 債務者が著しい生活困窮状態(生活保護法(昭和25年法律第144号)の規定による保護を受け、又はこれに準ずる状態をいう。)にあり、資力の回復が困難であると認められるとき。
(3) 債務者が死亡し、その債務について民法(明治29年法律第89号)第922条の規定による限定承認があった場合において、その相続財産の価値が強制執行をした場合の費用並びに他の債権に優先して弁済を受ける市の債権及びその他の者が弁済を受ける債権の金額の合計額を超えないと見込まれるとき。
(4) 第9条の規定により強制執行等の手続をとってもなお完全に履行されない当該債権について、強制執行等の手続が終了したときにおいて債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ、資力の回復が困難であると認められるとき。
(5) 当該債権について消滅時効に係る時効期間が満了したとき。ただし、債務者が時効の援用をしない特別の理由がある場合を除く。
(6) 第12条の規定による徴収停止の措置をとった場合において、当該措置をとった日から相当の期間を経過した後においても、なお履行させることが著しく困難又は不適当であると認められるとき。
(7) 当該債権の存在につき法律上の争いがある場合において、市長が勝訴の見込みがないものと決定したとき。
(8) 前各号に掲げるときのほか、市長が特にやむを得ない理由により放棄の必要があると認めたとき。
2 市長は、前項の規定により私債権等を放棄したときは、これを議会に報告しなければならない。
(委任)
第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和7年4月1日から施行する。
(施行日前に発生した債権の取扱い)
2 この条例の規定は、この条例の施行の日前に発生した市の債権についても適用する。