○御坊市小児・AYA世代がん患者等妊孕性温存治療費等助成事業実施要綱
令和6年4月1日
(趣旨)
第1条 この要綱は、将来子どもを産み育てることを望む小児・AYA世代のがん患者等が、がん治療等の開始前に生殖機能を温存することで、将来に希望を持ってがん治療等に取り組むことができるよう、妊孕性温存治療及び妊孕性温存療法により凍結した検体を用いた生殖補助医療(以下「温存後生殖補助医療」という。)に要する費用の一部に対し予算の範囲内で御坊市小児・AYA世代がん患者等妊孕性温存治療費等助成金(以下「助成金」という。)を交付するものとし、その交付について必要な事項を定めるものとする。
(1) 妊孕性温存治療 生殖機能を低下させる、又は失うおそれのあるがん治療等に関して精子、卵子、若しくは卵巣組織を採取し凍結保存するまでの一連の医療行為又は卵子を採取し受精させ、胚(受精卵)を凍結保存するまでの一連の医療行為をいう。
(2) 生殖補助医療 体外受精及び顕微授精による不妊治療をいう。
(3) 医療保険適用外 健康保険法(大正11年法律第70号)、国民健康保険法(昭和33年法律第192号)その他の法律に基づく医療保険制度による保険給付の対象とならないことをいう。
(実施主体)
第3条 御坊市小児・AYA世代がん患者等妊孕性温存治療費等助成事業の実施主体は、御坊市とする。
(1) 妊孕性温存治療 次に掲げる要件を全て満たしている者
ア 妊孕性温存治療費助成の申請日において本市の住民基本台帳に記録されている者
イ 和歌山県小児・AYA世代がん患者等妊孕性温存治療費等助成事業実施要綱(以下「県要綱」という。)による妊孕性温存治療に係る助成金の交付決定を受けている者
ウ 第6条に定める対象となる治療の凍結保存時に43歳未満の者
エ 申請を行う妊孕性温存治療について、治療期間を同じくして他の制度に基づく助成金等(県要綱に基づく助成金を除く。)の交付を受けていない者
(2) 温存後生殖補助医療 次に掲げる要件を全て満たしている者
ア 温存後生殖補助医療費助成の申請日において本市の住民基本台帳に記録されている者
イ 県要綱による温存後生殖補助医療に係る助成金の交付決定を受けている者
ウ 治療期間の初日における妻の年齢が原則43歳未満である夫婦(法律上の婚姻をしている夫婦ではないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあることが認められる者を含む。以下同じ。)又は小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業実施要綱7(2)、7(6)及び7(7)に該当する、妻の年齢が43歳以上である夫婦
エ 申請を行う温存後生殖補助医療について、治療期間を同じくして他の制度に基づく助成金等(県要綱に基づく助成金を除く。)の交付を受けていない者
2 前項の規定にかかわらず、妊孕性温存治療又は温存後生殖補助医療の実施に当たり、当該治療の主治医及び原疾患の主治医の双方の同意が得られない場合は、助成金の交付の対象としない。
(助成対象費用)
第5条 助成の対象となる費用は、妊孕性温存治療(初回の凍結保存を含む。)及び温存後生殖補助医療に要した医療保険適用外費用とする。ただし、入院室料(差額ベッド代等)、食事療養費、文書料等の治療に直接関係のない費用及び主たる治療を医療保険適用で実施している場合における先進医療等における自己負担分は、対象としない。
(妊孕性温存治療に係る助成対象治療及び助成上限額等)
第6条 妊孕性温存治療に係る治療ごとの1回当たりの助成上限額については、次の表のとおりとする。
対象となる治療 ※ | 1回当たりの助成上限額 |
胚(受精卵)凍結に係る治療 | 助成対象費用から、県要綱に基づき助成を受けた額を控除した額又は10万円のいずれか低い額 |
未受精卵子凍結に係る治療 | 助成対象費用から、県要綱に基づき助成を受けた額を控除した額又は10万円のいずれか低い額 |
卵巣組織凍結に係る治療(組織の再移植を含む。) | 助成対象費用から、県要綱に基づき助成を受けた額を控除した額又は10万円のいずれか低い額 |
精子凍結に係る治療 | 助成対象費用から、県要綱に基づき助成を受けた額を控除した額又は3万円のいずれか低い額 |
精巣内精子採取術による精子凍結に係る治療 | 助成対象費用から、県要綱に基づき助成を受けた額を控除した額又は10万円のいずれか低い額 |
※ 体調不良などにより医師の判断に基づき妊孕性温存治療を中止した場合も助成の対象とする。
2 助成回数は、対象者1人に対して通算2回までとする。なお、異なる治療を受けた場合であっても通算2回までとする。
(温存後生殖補助医療に係る助成対象治療及び助成上限額等)
第7条 温存後生殖補助医療に係る治療ごとの1回当たりの助成上限額については、次の表のとおりとする。
対象となる治療 | 1回当たりの助成上限額 |
前条の胚(受精卵)凍結に係る治療により凍結した胚(受精卵)を用いた生殖補助医療 | 助成対象費用から、県要綱に基づき助成を受けた額を控除した額又は10万円のいずれか低い額 |
前条の未受精卵子凍結に係る治療により凍結した未受精卵子を用いた生殖補助医療 | 助成対象費用から、県要綱に基づき助成を受けた額を控除した額又は10万円のいずれか低い額 |
前条の卵巣組織凍結に係る治療(組織の再移植を含む。)により凍結した卵巣組織再移植後の生殖補助医療 | 助成対象費用から、県要綱に基づき助成を受けた額を控除した額又は10万円のいずれか低い額 ※1及び2 |
前条の精子凍結に係る治療又は精巣内精子採取術による精子凍結に係る治療により凍結した精子を用いた生殖補助医療 | 助成対象費用から、県要綱に基づき助成を受けた額を控除した額又は10万円のいずれか低い額 ※1及び2 |
※1 人工授精を実施する場合の助成上限額については、1万円とする。
※2 卵胞が発育しない、又は排卵終了のため中止した場合及び排卵準備中、体調不良等により治療中止した場合は、対象としない。
2 助成回数は、初めて温存後生殖医療の助成を受けた際の治療期間の初日における妻の年齢が40歳未満である場合は通算6回までとし、40歳以上であるときは通算3回までとする。ただし、助成を受けた後に出産した場合又は妊娠12週以降に死産に至った場合は、当該事実を証する書類(住民票、戸籍謄本、死産届の写し等)の提出により助成回数をリセットすることができるものとする。
3 次に掲げる温存後生殖補助医療は、助成対象としない。
(1) 夫婦以外の第三者からの胚、卵子又は精子の提供によるもの
(2) 借り腹(夫婦の精子及び卵子を使用できるが、子宮摘出等により妻が妊娠できない場合に、夫の精子及び妻の卵子を体外受精して得た胚を妻以外の第三者の子宮に注入し、当該第三者が妻の代わりに妊娠・出産するものをいう。)によるもの
(3) 代理母(妻が卵巣及び子宮を摘出した等により妻の卵子を使用できない、かつ、妻が妊娠できない場合に、夫の精子を妻以外の第三者の子宮に医学的な方法で注入して、当該第三者が妻の代わりに妊娠・出産するものをいう。)によるもの
(1) 妊孕性温存治療
ア 和歌山県小児・AYA世代がん患者等妊孕性温存治療費等助成金交付決定通知書の写し
イ 和歌山県小児・AYA世代がん患者等妊孕性温存治療実施証明書(妊孕性温存療法実施医療機関)の写し
ウ 助成対象となる妊孕性温存治療に要した費用の領収書、診療明細書等の写し
エ 振込先金融機関の通帳等の写し
オ その他市長が必要と認める書類
(2) 温存後生殖補助医療
ア 和歌山県小児・AYA世代がん患者等妊孕性温存治療費等助成金交付決定通知書の写し
イ 和歌山県小児・AYA世代がん患者等温存後生殖補助医療実施証明書(温存後生殖補助医療実施医療機関)の写し
ウ 助成対象となる温存後生殖補助医療に要した費用の領収書、診療明細書等の写し
エ 振込先金融機関の通帳等の写し
オ その他市長が必要と認める書類
2 助成対象者は、和歌山県小児・AYA世代がん患者等妊孕性温存治療費等助成金(妊孕性温存治療分又は温存後生殖補助医療分)の交付決定日に応じて、当該各号に定める申請期日までに市長に申請しなければならない。
(1) 4月1日以降12月末日までに交付決定を受けた者は、交付決定日の属する年度の末日までに、市長に申請しなければならない。
(2) 1月に交付決定を受けた者は、交付決定日の属する年度の翌年度の4月末日までに、市長に申請しなければならない。
(3) 2月に交付決定を受けた者は、交付決定日の属する年度の翌年度の5月末日までに、市長に申請しなければならない。
(4) 3月に交付決定を受けた者は、交付決定日の属する年度の翌年度の6月末日までに、市長に申請しなければならない。
(代理による申請)
第9条 助成対象者に代わり、代理人として前条の規定による申請をすることができる者は、次に掲げる者とする。
(1) 助成対象者の属する世帯の世帯構成員
(2) 法定代理人(親権者、未成年後見人、成年後見人、代理権付与の審判がなされた保佐人及び補助人をいう。)
(3) その他市長が特に認める者
(交付決定の取消し)
第11条 市長は、前条第1項の規定により助成金の交付決定を受けた者が偽りその他不正の手段により交付決定を受けたときは、助成金の交付の決定の全部又は一部を取り消すことができる。
(助成金の返還)
第12条 市長は、前条の規定により助成金の交付決定を取り消した場合において、当該助成金の全部又は一部を返還させることができる。
(その他)
第13条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この要綱は、令和6年4月1日から施行する。